怠惰に創作

細々と小説の様なものを創作しています。設定など思い付いたように変更しますので、ご容赦ください。

3代皇帝と軍事政権 FILE2

7月事件によって成立した軍事政権ではあったが、蓋を開ければ「パウリナ条約」の破棄か継続かで対立が起こり、国内統治と言った点では全く機能しない体たらくぶりを晒す事となった。この事態が余り公けにならなかったのは、民衆が軍事政権に対して無関心だ…

3代皇帝と軍事政権 FILE1

宇宙暦177年7月14日、その日、ゲーディア皇国は悲しみと不安に満ちていた。 と、まぁ、そんな見出しが似合う皇帝、それが3代目「サロス・ソロモス」である。 現に皇国国民は、パウリナ帝が退位して兄のサロスに帝位を譲位したとニュースで流れると、…

「とある記者の取材録」人物紹介2

【人物紹介】 「ディック・クエス」 ・宇宙暦162年生まれ。 ・身長176cm、体重83kg ・黒髪、黒瞳、欧州風の顔立ち。 ☆元新聞記者で、現在は雑誌社の社長兼編集長。 御上の言いなりの新聞社を辞め、幼馴染の女性と共に自分の雑誌社を立ち上げる。幼馴…

2代皇帝と7月事件(事変) FILE4

歴史の結果から言うと、軍部によるクーデターである「7月事件」は成功し、2代皇帝パウリナ・ソロモスは退位、その後を不詳(☚個人の意見です)の兄であるサロス・ソロモスが3代目皇帝に即位するのである。 簡単に言えばこれで終わりなのだが、それでは芸…

2代目皇帝と7月事件(事変) FILE3

休憩が終わり、ストー准将との話を再開する。 ———では、続きをお願いします。何故候補にも挙がっていなかったサロス・ソロモスが3代目の皇帝になったのかを。確か翌日に会議が再開されて、そこで決まったみたいですね。 その会議に入る前に、その日の晩、あ…

2代目皇帝と7月事件(事変) FILE2

———ネクロベルガー総帥が居たのですか? あゝそうだ。ゲネス大将が座る議長席を挟んで左側がロイナント中将、右側がダルメ中将が座っていたが総帥が座っていたのはロイナント閣下の隣だった。会議室で彼の存在に気が付いた時は驚いたよ。多分他の者も驚いた…

2代皇帝と7月事件(事変)

「7月事件(事変)」は、宇宙暦177年7月7日にゲーディア皇国で起こった軍部によるクーデターである。7月7日に起きたたので7月事件と呼ばれ、他にも「7・7事件」とか、7が4つも続いている事から「ワン・フォー・セブン事件」とも言われているよ…

2代皇帝と平和条約 FILE3

条約締結後のゲーディア皇国では、パウリナ帝の下、軍縮が粛々と行われた。 しかし、当然と言うか、皇国内でもすんなりと条約が結ばれた訳では無い。条約締結の直前まで軍部は反対を続けており、クーデターを警戒して近衛軍が皇居を護衛するなどの緊迫した状…

2代皇帝と平和条約 FILE2

「パウリナ条約」とは、宇宙暦173年に第3惑星エレメスト統一連合と、第4惑星ゲーディア皇国との間に結ばれた軍縮案を基本とした平和条約である。 宇宙暦156年1月15日、月(アフラ)解放戦線の降伏によって4年戦争が終結し、翌16日に連合と新ア…

2代皇帝と平和条約 FILE1

2代皇帝である「パウリナ・ソロモス」は、宇宙暦140年にウルギア帝の長女として生まれた。3人目にして初の女子だった事でウルギア帝は大変に喜んだそうである。 やっぱり男親は女の子が生まれると嬉しいのだろうか? そんな彼女は宇宙暦170年1月7…

シガークラブ

今日の俺は違う。今日こそ俺は新たな一歩を刻むのだ! 俺は強く心に誓いを立て、目の前にある建物の看板へと視線を向ける。 「あの、オルパーソンさん? 無理しなくてもいいんじゃ‥‥‥」 傍らにいるガイドのハンさんが、困惑した表情で俺を見ている。言いたい…

「とある記者の取材録」人物紹介1

【登場人物】 「ブレイズ・オルパーソン」 ・宇宙暦163年生まれ。 ・身長180㎝。体重84㎏ ・黒髪、黒瞳。欧米風の顔立ち。 ☆主人公でフリーランスのジャーナリスト。元々はカメラマンだったが、ある政治家の汚職事件のスクープ写真を取った事をきっ…

初代皇帝とバルア事変 FILE2

ロビーで待っていたのは高校生位の女の子だった。俺が来るのに気付くと、座っていたソファー椅子から立ち上がって此方に近付いて来る。 「ブレイズ・オルパーソンさんですか?」 「ああ……そうだけど……」 「私、ステイシー・ミリガンと言います」 「ハァ……」 …

初代皇帝とバルア事変 FILE1

宇宙暦193年某日、俺は……私は第4惑星・ゲーティア皇国に来てから一週間が過ぎていた。その間、色々な人々に取材を行い、色々な話を聞いていたが、第3惑星エレメスト統一連合の政治家共が言うような「悪の国家」と言うイメージは無い。国民はとても親切…

初代皇帝と第4惑星ゲーディア皇国 FILE3

第3惑星エレメストは、恒星系の太陽の恵みによって自然あふれる生命の星である。その生命の星に人類が現れ文明を築き、世界に広がって行く。そして数千年の時が過ぎ、100億超える人口を有した人類は、新たな居住の場所を宇宙へと移していったのだった………

初代皇帝と第4惑星ゲーディア皇国 FILE2

ゲーディア皇国軍は、ご存知の通り元々はエレメスト統一連合軍・第4惑星駐留軍が前身である。 では何故、統一連合軍である彼らが独立に協力したのかだが、理由は至極単純である。当時の駐留軍兵士の殆どが第4惑星の市民で構成されていて、尚且つ、当時の第…

初代皇帝と第4惑星ゲーディア皇国 FILE1

宇宙暦156年1月16日、ゲーディア皇国は正式に独立国家としての一歩を踏むこととなる。 元々第4惑星は、エレメスト統一連合から見れば遠く離れた他惑星の為、連合の支配下にさえ入ってさえいれば、ほぼ統治に関しては行政長官の裁量に任せられていたの…

初代皇帝と4年戦争 FILE3

宣戦布告後、ゲーディア皇国とアフラ解放戦線との初めての戦闘が行われたのは、宇宙暦155年12月28日、月近くにある第1転送ステーション「ホール・ワン」近郊での事である。 ゲーディア皇国艦隊とアフラ解放戦線艦隊が初めてぶつかったこの戦いは、そ…

初代皇帝と4年戦争 FILE2

宇宙暦155年12月1日、ゲーディア皇国は、月(アフラ)解放戦線に宣戦を布告した。 これは当時の世界を震撼させたことは想像に難くない。なぜなら皇国は解放戦線に資金や物資の援助、技術供与をしていたのである。解放戦線に積極的に協力するため軍を送…

エレメスト統一連合宇宙軍【艦隊編制】

【兵器】 ①「フロイゼン級改2型」 分類・戦艦 全長・336m 武装・330mm連装ビーム砲塔✖2、220mm連装ビーム砲塔✖4、艦首ミサイル発射管✖6、4連装艦尾機雷発射管✖2、35mm連装レーザー機銃×16 ☆「第一次軍備再建計画(※1)」によって建造さ…

初代皇帝と4年戦争 FILE1

俺はこの国の歴史を記するにあたり、まずはこの国の皇帝とその時起った物事を中心に歴史を書くことにした。まぁ、当然と言えば当然だな。 最初は当然ながら第4惑星ゲーディア皇国初代皇帝「ウルギア・ソロモス」である。 このウルギア帝と切っても切れない…

とある記者の取材録3

第4惑星第1衛星「ゾディ・アスタ」の宇宙港から俺は小型シャトルに乗り換える。ここからは小型シャトルに乗ってそれぞれの都市に行くことになる。俺が選んだのは第1都市「バルア・シティ」だ。 ゲーディア皇国は第4惑星地表面にある73の宇宙都市の連合…

とある記者の取材録2

俺の名前は「ブレイズ・オルパーソン」フリーランスのジャーナリストだ。と言っても元々はカメラマンだった。自然や動植物の写真を撮るのが主な仕事だったんだが、それだけじゃあ食っていけないから新聞社でカメラマンのバイトをしていたんだ。 そんな俺がジ…

とある記者の取材録

宇宙暦197年8月26日午前9時00分。第4惑星地表面にある73の都市群国家ゲーディア皇国は、第3惑星エレメスト統一連合に対し宣戦布告した……。 ちょうどそのころ、私は行きつけのレストランで少し遅めの朝食をとっていた。「モーニングスター」と言…

ゲーディア皇国軍【人物紹介】

【人物】 メビィ・ヘルター・・・・・ゲーディア皇国軍パイロット。階級・軍曹。宇宙暦177年生まれ。 所属・アンリ・マーユ要塞防衛軍、第11機動装甲兵団第32機動装甲兵連隊第5戦隊第4(エンガー)小隊ff分隊長。 ☆ソルジャーのパイロットとして…

アンリ・マーユ戦5

開戦から戦場全体が異様な空間となってはいた。が、連合遠征艦隊は秩序を保って敵要塞に向けて進行していた。A・B・Pによって主砲、副砲に使われているエネルギービームは無効化され、妨害電波によって誘導兵器や通信網が制限された戦場で、しかし皇国も…

アンリ・マーユ戦4

宇宙暦197年8月26日9:00。ゲーディア皇国摂政、ネクロベルガーの宣戦布告演説と時同じくして、ゲーディア皇国対外政策局は、エレメスト統一連合政府に対して最後通牒を突きつけて宣戦布告する。 皇国の宣戦布告を受けて、連合政府は直ちに前線に赴…

アンリ・マーユ戦3

宇宙暦197年8月26日。 ネクロベルガーの宣戦布告演説が終わった直後、遠征艦隊全体に司令部から第一種戦闘配備が通告され、遠征艦隊は要塞を包囲するように左右に展開しつつ前進する。更にその直後にレーダーがホワイトアウトし、司令部や各艦隊との通…

アンリ・マーユ戦2

モニターに映る第243駆逐隊司令は、憮然とした表情をしていた。 「僕はポークではない! ポートだ!」 「ああ済まない。間違えた」 「ワザとだろうが! いつもいつもお前は……」 隊司令の丸みを帯びて膨張し、両頬の肉が垂れ下がった顔は怒りの言葉を発す…

アンリ・マーユ戦

「ふぅ~」 ラッキー7号こと駆逐艦「DY²-777」の艦長ベクス・ホワイトは、艦橋入り口のドアの少し前で頻呼吸を繰り返したり、身嗜みを整えつつ中に入る事を躊躇していた。 「何してるんだ艦長?」 かけられた声に驚いて背後を見ると、機関長のサガ・ペ…