怠惰に創作

細々と小説の様なものを創作しています。設定など思い付いたように変更しますので、ご容赦ください。

2023-01-01から1年間の記事一覧

H計画とミシャンドラ学園 FILE9

幾つかのクラブの見学を終えた俺は、人工的に演出された夕暮れを観賞しながら本館へと戻る。 時間的に夕食時と言う事もあり、学園長代理のレッジフォードから「学園の食堂でディナーでも」と言われ、特に何処かで夕食を摂ろうと言った予定も無かったので、そ…

H計画とミシャンドラ学園 FILE8

応接室から出た瞬間、レッジフィールド学園長代理が振り返って何か含みのある笑顔を俺に見せて来た。 何だろう? とっても不気味な感じがする。俺は、取りあえずその不気味な笑みの真意を確かめる事にした。 「な、何ですか?」 「いえ、お時間はどの位ある…

H計画とミシャンドラ学園 FILE7

人間には様々な能力や才能がある。 それらは全ての人間の中に秘められたものであり、諸君ら一人一人にも才能はあるのである。 だがしかし、それらはただ単に自然発生するものでは無い、自らが行動し、経験し、学んだ先に備わるものである。 そして自身にどの…

H計画とミシャンドラ学 FILE6

俺は学園長代理のレッジフィールドに連れられ、高等部1年1組の教室を見学した。見学と言っても教室に入ってでは無く、廊下側の窓から中を見ると言った感じだ。 教室は流石50人の生徒が入れるだけあって広い。机が規則正しく並べられていて、生徒たちが座…

H計画とミシャンドラ学園 FILE5

第1102研究所での「H計画」の取材を終えた俺は、クリミヨシ博士のご厚意に甘えて予約してもらったホテルで一夜を明かす。 一応ホテルに着いた時に、事の経緯をクエスにメールはしておいた。流石に取材と言う事で彼奴からも許可は貰ったし、このホテルの…

H計画とミシャンドラ学園 FILE4

クリミヨシ博士は何の躊躇も無くH計画について語りだした。一応公けになっているから大丈夫なんだろうけど、あのエッグと言う人工子宮なる機械を見てしまうと本当に公けなのかと疑問に思う。しかも今語っているクリミヨシ博士は、友人だったオームズ博士か…

H計画とミシャンドラ学園 FILE3

「ここが、H計画の心臓とも言えるラボです」 クリミヨシ博士が俺を案内した場所は、水平型エスカレーターで移動している時に見かけた番号が振られたドアのひとつだった。博士のオフィスから一番近い扉で、白い扉には「10」と黒字で番号が振られている。扉…

H計画とミシャンドラ学園 FILE2

「何ィィィ!? H計画が少子化対策だと!?」 あまり広くもない雑誌社のオフィスにクエスの怒鳴り声が響く。突然の事で耳を塞ぐ余裕もなく、直に彼奴の怒鳴り声を聞いた俺の耳がキーンとしている。 「うるせぇなぁ。鼓膜が破れるだろ」 何故クエスの奴がこ…

H計画とミシャンドラ学園 FILE1

「言っておくが、あくまでお前に協力するのは私にとってもメリットがあると判断したからで、この事は秘密だ。イイな!」 強い口調で言ってはいるが、周りにいる店員や客に聞かれない様にと、ブルジューノ捜査官は小声で釘を刺して来た。 俺は「ハイハイ分か…

Z計画 FILE10

ヴァレナントからの命令で、私がブレイブ・オルパーソンなる人物を監視して早1か月が経った。 この1ヶ月間の彼の主な行動は、自宅と勤務先の雑誌社を往復するだけで、あとは自宅近くでの食事や買い物、雑誌社近くにあるシガークラブ「R&J」で同僚と酒を…

Z計画 FILE9

皇国親衛隊情報本部警察局刑事部第1捜査課3班。1年前に私、マリア・ブルジューノが配属された部署だ。班の人数は私を含めて5名である。 皇国では、高等学校を卒業した男子は2年間の兵役訓練を受けなけらばならない。兵役訓練を受けなくてもいいのは大学…

Z計画 FILE8

「警察局って‥‥‥。親衛隊?」 「あゝそうだ」 アパートの前で声を掛けて来たスーツ姿のクール系女子が警察局、所謂親衛隊隊員だと名乗った瞬間、俺の頭の中は真っ白になった。 ヤバい、ヤバい、俺また捕まるのか? 嘗て強引な取材を繰り返して不法侵入で警察…