怠惰に創作

細々と小説の様なものを創作しています。設定など思い付いたように変更しますので、ご容赦ください。

初代皇帝と第4惑星ゲーディア皇国 FILE3

第3惑星エレメストは、恒星系の太陽の恵みによって自然あふれる生命の星である。その生命の星に人類が現れ文明を築き、世界に広がって行く。そして数千年の時が過ぎ、100億超える人口を有した人類は、新たな居住の場所を宇宙へと移していったのだった……。

と、まぁ、こう書くと聞こえはいいかもしれないが、要は人口が増えてどうしようもなくなったから宇宙開発を進めて行こうって話だ。今じゃ人口もさらに増えて120億人前後になってる。そのうちの20億人以上がゲーディア皇国に居住している。

そういった経緯で始まったのが「惑星移住計画」である。その前段階にあったのが「スペースコロニー計画」があり、さらにその前にコロニー建設の資源採掘のための月(アフラ)の都市化計画である「月面都市計画」があった。月都市とコロニー計画で宇宙移住を推し進めていった連合政府だが、それでもまだ不十分と感じ、もっと多くの人々を宇宙に移住させるための計画として始まったのが「惑星移住計画」だ。

まず候補に挙がったのは第2惑星だ。しかし第2惑星は厚い大気に覆われ、その大気は二酸化炭素と硫酸で構成されていて、惑星内は数百度の高温で気圧も高い為、とても人の住める場所ではない。一時期、それら欠点を解消し人の住める場所にしようと試みるも断念。そこで自然の流れとして人類が目を付けたのが第4惑星である。

第4惑星は硬い岩石に覆われた惑星である。エレメストより小さく重力も弱いものの、薄いが大気が存在し、その地表面はエレメスト同様いろいろな地形があって第2惑星に比べれば開発には苦労しないと判断したんだ。

とは言っても、大気は存在するが薄く、構成成分比率はエレメストと違うので宇宙服無しでは人は生きられない。気温は常時マイナスと言う極寒の地であり、普通に人が生身で生活するのは不可能である。しかし「月面都市計画」での宇宙都市建設の実績があったので、「第4惑星都市計画」は之と言った障害も無く実行されたのだ。

それでは第4惑星の「宇宙都市」についてザックリと説明する。

宇宙都市は月面のものもそうだが通常は「コロニー」とも呼ばれている。コロニーは入植地、移住地、開拓地、或いは植民地と言う意味で、宇宙や惑星開拓そのものの意味でもある。スペースコロニーが巨大な円筒形の住居に対し、宇宙都市は円形のドーム状の外見をしている。その都市周辺には、色々な物資を都市部に供給している大小12の外部施設が存在し、内訳は4基の食料製造プラント、4基の重工業地区、2基の発電所地区、2基の宇宙港となっている。これら施設は時計の文字盤に例えると分かりやすく、もっとも大きな食料製造プラントは12時、3時、6時、9時の場所にあり、次いで大きな重工業地区は1時、4時、7時、10時の場所にあり、発電所は2時と8時、最も小さい宇宙港は5時と11時にある。これら施設は都市と切り離す事で管理し易くし、更に万が一の事があっても隔離しやすいと言う理由からこういう構造になっている。都市部とはトンネルで通じていて、通常の道路による車移動とリニアトレインによる移動が可能である。

余談ではあるが、中央の大きな円状の都市部と12の小さな外部施設、それをトンネル道路で繋いでいて、上空から見ると形がウイルスに似ている事から「ウイルス(型)都市」とも言われていて、しばしば皇国民(月住民)に対して「ウイルスの中の住民」と差別的用語としても使われる事がある。

続いては都市部の内部構造である。地表面(上層地区)には中央の政庁ビルをはじめ多くのビル群が建ち並び、それ自体がドームの天井を支える柱の役目も担っている。だがそこは企業のオフィスなどのビジネス街や、娯楽施設などの歓楽街があるだけで居住区は一切なく、住民のいる居住区は3階からなる地下にある。

地下1階(B1A)は、所謂一戸建てスタイルの住居が立ち並ぶ場所である。土地の広さはきっちりと決められてはいるが、家を建て替えるのは自由なので、自分好みの家を建てることは出来る。勿論、地価は高いので平均以上の高所得者が多い。

人口は各都市300~500万人ほどのである。

地下2階(B2A)は、マンションタイプの住居が立ち並ぶ居住区である。間取りも広く、住居管理AIシステム(ハウスキーパー)も付いていて、お値段(家賃)も安くはないが平均的な一般家庭でも住めるほどの値段である。

人口は各都市1000万人前後が住んでいる。

地下3階(B3A)は、アパートタイプの住居は立ち並ぶ居住区で、低所得用の住居である。間取はB2Aに比べれば半分ほどと狭いので家族の人数が多いとかなり大変だろうが、壁や床は防音加工されているので隣や上が五月蠅いと言う事は無いし、B2Aと同じくハウスキーパー付きであるため、それほど悪くはない住居でもある。

勿論、家賃も安いのでここに住んでもいいかと私は思っている……別に住みたいと言ってる訳では無いぞ! 住む事になったらB3Aでいいかと思っただけで……その、なんだ……気を取り直して、人口は各都市2000万人前後が住んでいる。

因みに、現在皇国を牛耳っているネクロベルガー総帥(ドレイクの息子)は、各都市のB3Aのアパートの約1割の所有権を持っているそうだ。要するに総帥には毎月72の都市から莫大な家賃収入があるらしい。何とも羨ましい話である。

と……まぁ……気を取り直して……。

ここからは「第4惑星ゲーディア皇国」の各都市(シティ)について解説する。

第4惑星には73の都市が存在するが、それらは7つの平原に分散されて建設されている。以下はその7つの平原の名称とそこに建設されて各都市の名称とそこを統治する領主貴族の爵位である。

ラプライド平原・第4惑星にある平原の中で最大の広さを持つ平原。ここを中心に地図が製作されているので、中央大平原とも称されている。15都市が建設されている。

第1都市「バルア・シティ」以下爵位は大公。

第2都市「アガレス・シティ」 〃

第3都市「ヴァザーゴ・シティ」 〃

第4都市「ガミジン・シティ」 〃

第5都市「マルバス・シティ」以下爵位は侯爵。

第6都市「ヴァレファル・シティ」 〃

第7都市「アーモン・シティ」 〃

第8都市「ベルバトス・シティ」 〃

第9都市「ペイモン・シティ」 〃

第10都市「ブエール・シティ」 〃

第11都市「グシオン・シティ」 〃

第12都市「シトリ・シティ」 〃

第13都市「ベレト・シティ」 〃

第14都市「レラジエ・シティ」 〃

第73都市「ミシャンドラ・シティ」首都であり皇族の居住区。

因みにミシャンドラ・シティには「ミシャンドラの予言」という都市伝説がある。ミシャンドラの予言とは、「第4惑星都市計画」では4都市ずつ建設が行われたのだが、最初の4都市(バルア~ガミジン)を建設するにあたり、ラプラウス平原の中央部に東西南北に都市を建設した。上空から見てそれら4都市を線で結ぶと、ひし形状の綺麗な正方形に成る様に建設したのだ。その後もその外側を囲む様に都市が建設されている。当然ながらその建て方だと中央部にぽっかりと土地が余る事になるのだが、結局、その場所に都市や他の施設が建設される事は無く、そのまま手付かず状態になった。

そこに目を付けたのがウルギアである。彼は皇帝になって間も無くそこに新首都「ミシャンドラ・シティ」の建設をはじめた。そのためミシャンドラは最後に建てられたはずがラプラウス平原の中央にあって、あたかも最初に建てられた様に都市群の中央に鎮座する形となった。この事から「ゲーディア皇国の建国は予言されていた事である」と噂され、都市伝説として語られている。

私としては偶然の産物だと思っているが、信じている者も少なくない。

 イーラス平原・地図上では最も東部に広がる平原で、東部平原とも称されている。10都市が建設される。

第15都市「エリゴス・シティ」爵位は侯爵。

第16都市「ゼパル・シティ」以下爵位は伯爵。

第17都市「ボティス・シティ」 〃

第18都市「バティン・シティ」 〃

第19都市「ザレオス・シティ」 〃

第20都市「プルソン・シティ」 〃

第21都市「モラクス・シティ」 〃

第22都市「イポス・シティ」 〃

第23都市「アイム・シティ」 〃

第24都市「ナベリウス・シティ」 〃

皇国ではラプラウス平原以外の平原を「辺境」と呼び、その都市のひとつを侯爵領、その他の都市を伯爵領で構成する。そのためその地の侯爵は「辺境候」と呼ばれ、他の伯爵達をまとめている。

エンヴァ―平原・地図の南部に広がる2番目に広い平原。南部平原とも呼ばれ、12都市が建設される。

第25都市「グラーシャ・ラボラス・シティ」爵位は侯爵。

第26都市「ブネ・シティ」以下爵位は伯爵。

第27都市「ロノウェ・シティ」 〃

第28都市「ベリト・シティ」 〃

第29都市「アスタート・シティ」 〃

第30都市「フォルネウス・シティ」 〃

第31都市「フォラス・シティ」 〃

第32都市「アスモデ・シティ」 〃

第33都市「ガープ・シティ」 〃

第34都市「フルフール・シティ」 〃

第35都市「マルコジアス・シティ」 〃

第36都市「ストラス・シティ」 〃

貴族は成人(15歳)すると爵位と共に騎士の称号を得る。そのため貴族の子弟(特に子爵位)は近衛軍士官(士官になるには騎士の称号が必要)になる者が多いのだが、第29都市の「アスタート伯」に限っては、近衛軍ではなく代々国防軍に所属している。

アーケディ平原・地図の西部に広がる平原。10都市が建設される。

第37都市「フェネクス・シティ」爵位は侯爵。

第38都市「ハルファス・シティ」以下爵位は伯爵。

第39都市「マルファス・シティ」 〃

第40都市「ラウム・シティ」 〃

第41都市「フォカロル・シティ」 〃

第42都市「ウェパル・シティ」 〃

第43都市「サブナック・シティ」 〃

第44都市「シャックス・シティ」 〃

第45都市「ヴィネ・シティ」 〃

第46都市「ビフロンス・シティ」 〃

リグード平原・地図の南西部に広がる平原。10都市が建設される。

第47都市「ウーヴァル・シティ」爵位は侯爵。

第48都市「ハーゲンティ・シティ」以下爵位は伯爵。

第49都市「クロセル・シティ」 〃

第50都市「フルカス・シティ」 〃

第51都市「バラム・シティ」 〃

第52都市「アロケル・シティ」 〃

第53都市「カイム・シティ」 〃

第54都市「ムルム・シティ」 〃

第55都市「オロバス・シティ」 〃

第56都市「グレモリー・シティ」 〃

二グラット平原・地図の北東部に広がる平原で、7平原中もっとも小さな平原。7都市が建設される。

第57都市「オセ・シティ」爵位は侯爵。

第58都市「アミ・シティ」以下爵位は伯爵。

第59都市「オリアス・シティ」 〃

第60都市「ヴァプラ・シティ」 〃

第61都市「ザガン・シティ」 〃

第62都市「ウァラク・シティ」 〃

第63都市「アンドラス・シティ」 〃

ラトス平原・地図の北西部に広がる平原で、最後に都市開発が行われた平原。9都市が建設されるが、実は3番目に広い平原。

第64都市「フラウロス・シティ」爵位は侯爵。

第65都市「アンドレア・ルクス・シティ」以下爵位は伯爵。

第66都市「キマリス・シティ」 〃

第67都市「アムドゥス・ギアス・シティ」 〃

第68都市「ベリアル・シティ」 〃

第69都市「デカラビア・シティ」 〃

第70都市「セーレ・シティ」 〃

第71都市「ダンタリオン・シティ」 〃

第72都市「アロンド・マリウス・シティ」 〃

以上がゲーディア皇国の全都市である。

で、ここで終わりたいが、皇国の税収システムが結構特殊なので序に説明する。

何税、何税と細かい種類などは省くが、基本的にゲーディア皇国の国民は自らが住んでいる都市の領主貴族に税を払っている。これを市民税と言って、領主貴族はこれらを使って都市の行政を執り行っているのだ。

では、皇国の国としての収入は何かというと、地下資源である。皇国には豊富な地下資源があり、特にエネルギー鉱石である「レメゲウム」は皇国に莫大な富をもたらしている。

それともう一つが領主貴族からの上納金である。領主貴族たちは、都市の自治を皇帝から任されているが、その返礼として税収の3%を上納する事になっている。要するに貴族から税を取っているという事である。本来、貴族は税の免除をされた者なのだが、皇国では税を取られる存在の様だ。因みにパーセンテージの3%は時期によって増減があるようだが、おおむね3%で落ち着いている。

これらふたつ以外にも細々としたのがあるが、おおむねこのふたつが国の主な収入源である。のだが、これらは国家のものであるとウルギア帝が宣言したため、此処から皇族費は1※ルヴァーも支払われていない。

それでは皇族の収入源はなにか? それが「ミシャンドラ・シティ」である。ミシャンドラは首都ではあるが、首都としては些か特殊な都市である。この首都には一般市民が住んでいないのである。ミシャンドラ・シティは「皇帝の都市」と称され、地表面は皇族が住む中央の宮殿とその周辺にある貴族たちの別荘で構成されている。

そして地下1階には中央議事堂をはじめとする行政施設や皇立最高裁判所に皇立学校、政治家や官僚とその家族やその他諸々の関係者等が住む官舎、寄宿舎、寮‥がある。

地下2階は地下1階と同じように、此方は軍関係の施設がある。

それと貴族たちが構える屋敷の敷地内にはには彼らに使える使用人の家などがあるが、関係ない一般人は住む事が出来ない完全なる行政と貴族中心の都市となっている。そしてその土地は皆皇帝のものであり、彼らミシャンドラに住む者は皇帝に地代を払っていて、それが皇族の収入源となっている。

因みに、貴族たちは皇帝への忠義の深さを示すためにミシャンドラの土地を多く持とうと競い合たが、ウルギア帝から止めるよう厳命が下り、今では法で決められた広さしか持つことを許されていない。 

それではここでゲーディア皇国について軽くではあるが説明を終了し、ウルキア帝の晩年に起こった大事件について話そうと思う。

 

※ルヴァー・・・皇国のお金の単位。面倒なので1ルヴァー=100円と考えてください。