怠惰に創作

細々と小説の様なものを創作しています。設定など思い付いたように変更しますので、ご容赦ください。

第4惑星・ゲーディア皇国

宇宙暦152年2月1日午前8時。月首都「アフラシティ」は、月(アフラ)独立解放戦線によって占拠、他の都市も次々と戦線に呼応し、その日の内に月は解放戦線のものとなった。

翌2月2日「アフラ解放戦線」は、第3惑星「エレメスト統一連合」からの独立を宣言する。

この事態にエレメスト統一連合は急遽宇宙艦隊を結成し討伐に当たらせる。当時の艦隊は宇宙海賊討伐などの主眼とした治安維持部隊であり、 各宙域の治安維持部隊から抽出した合計100隻余りの艦艇で討伐艦隊を編成し、事態に当たらせたのである。

しかし、連合が艦隊戦や月面都市群への制圧戦まで想定して準備した結果、出撃までに5日と言う時間を要してしまう。この事が戦線側に対抗するに十分な時間を与えてしまい、統一連合軍は数の上では優勢だったにもかかわらず、敗北を喫するのだった。

そして開戦から2週間が過ぎた2月15日、第4惑星にて大事件が起こる。

当時の第4惑星行政長官「ウルギア・ソロモス」が統一連合に対してクーデターを起こしたのである。後に「ソロモス事変」と呼ばれたこの事件により、第4惑星は事実上、統一連合からの独立状態となった。

そして翌月の3月1日、ウルギア・ソロモスは、統一連合からの正式な独立と「ゲーディア皇国」建国を宣言。自らを初代皇帝としたのである。

しかし、同じ統一連合からの独立したにもかかわらず、その後皇国は戦争には関わろうとはせず。解放戦線からの再三の協力要請に対しては、終始資金と物資の援助、技術提供だけにと止まり、軍事的な支援をしようとはしなかった。

この行動に皇国内でも「戦線に味方すべし」という風潮になってはいたが、皇国軍が動く事は無く。業を煮やした一部の市民が義勇兵となって戦争に参加する事態になったのである。

だが、そんな軍事的に中立状態を守っていた皇国軍が動く時が来た。

宇宙暦155年12月、突如ゲーディア皇国はアフラ解放戦線に宣戦布告する。何と皇国は統一連合側で戦争に参加したのである。

この行動に解放戦線側は「恥知らず」「宇宙民の風上にも置けない」と皇国を痛烈に非難したものの、エレメスト=ゲーディア連合軍の攻撃により、宇宙歴156年1月15日にアフラ解放戦線は連合に無条件降伏し、月民の独立の夢はついえたのだった。

しかし、同じく統一連合からの独立を果たそうとしながらも、当初は戦争に参加する事無く日和見を決め込んでいた皇国は、終盤になって突如連合側に着いた事で戦争終結後の宇宙暦156年1月16日、統一連合により独立自治権を認められ、宇宙に出来た初の独立国家としての歴史を歩むこととなる。

そして宇宙暦197年8月26日……。

宇宙は再び戦火に包まれる事になるのだった……